授業紹介【選択科目】

【 Making U.S. Foreign Policy 】(選択)


2014/2015年  (教授名: Prof. Richard E. Feinberg)

クリントン政権の大統領補佐官であったFeinberg教授による、アメリカの外交政策決定過程を主に組織という軸で学ぶ授業です。授業では、国家安全保障会議(NSC)、国務省、国防総省と言ったある程度馴染みのある組織から、財務省、商務省、NGO等の組織まで幅広い組織を扱います。
「戦略は組織に従う」、「組織は戦略に従う」の議論では無いですが、組織を検討することはアメリカの外交戦略を理解することにも繋がります。事実、ISISをめぐる対中東戦略、中間選挙の結果を受けた貿易戦略などのタイムリーなアメリカ外交戦略を学ぶことができました。
各組織における外交政策決定過程を疑似体験するということも本授業の目的の一つであり、課題として、実際に教授がNSCで使用していたフォーマットを用いて政策メモを作成する課題が与えられます。結論とそれを支えるファクトを論理的かつシンプルに表現する訓練は、官民どの職場を問わず有意義であり、大きな学びになりました。
最後の授業では自宅でホームパーティーをしながら、授業の感想を生徒と一緒にディスカッション形式で、教授と生徒の距離が非常に近いことが印象的でした。


【 Cost Benefit Analysis 】(選択)

2017 Fall (教授名: Prof. Dale Squires)
 授業の名前のとおり、プロジェクトの費用対効果を評価することを目的とした授業です。公共事業を中心に様々な事例を扱いながら、その事業を実施するべきか否か、延期すべき否か等を評価します。Net Present ValueやIRRによる評価、機会損失コスト、シャドープライスの考え方等について学びます。また、Economic Resource の活用の観点から、どの経費をプロジェクト評価に参入すべきかを考える Economic Analysis の視点から評価を行い、この手法はWorld bank や Asian Development Bankのプロジェクト評価にも用いられているものです。
 なお、中間試験、期末試験の2回の試験と毎週の宿題(8回程度)の提出、事例を基にしたプロジェクト評価に対するCritique(2回)によって評価されます。毎週の宿題に関しては、週に1度補講があり、提出前に解説をしてくれます。また、中間試験、期末試験前にはStudy Guideが配布され、Study Guideに沿った参加任意の補講がされます。
(教科書:特になし ※教授が事例のリーディングマテリアル、スライドを配布)

2014/2015年  (教授名: Prof. Dale Squires)

内容・評価等:Financial Analysisと対極にある、Economic Analysisの考え方と実践を学ぶ。Economic AnalysisはEconomic resourceの活用の有無を基準に、プロジェクト評価を行うもので、World BankやADBなどで実際に用いられている考え方。やや抽象的な印象を受けるが、実際のケースを通じて実践を学ぶので、次第に理解が深まり、有益。評価はメモ(2本)と中間・期末試験。
参考文献:授業ごとに予め読んでおくべき論文等を教授が指定。


【 Quantitative Method III“QM III”-Applied Data Analysis and Statistical Decision-Making 】(選択)


2014/2015年  (教授名: Prof. Craig McIntosh)

内容・評価等:1年次最後の春学期に履修した本科目では、QMIIで学習した回帰分析を発展させ、より高度な分析手法について学習しました。具体的には、①各説明変数が、ある事象が起こる確率に与える影響の分析、②時系列データにおいて、どの時点のデータがどれだけ現状値に強い影響を与えているかの分析、③パネルデータ(複数の時系列データ)において、時間の経過と各々の説明変数がそれぞれどの程度、被説明変数に影響を与えているかの分析手法等について授業と課題を通じ理解を深めました。特に③においては、時間の概念を含めない通常の回帰分析と比べ、同一のサンプルを時系列で追って他のサンプルと比較することで、より比較対照的な分析を行うことが可能であることから、意味のある因果関係の抽出が行いやすく、ビジネスの実践でも有効なツールであるとの実感を持つことができ、実際に本授業で得た知識・手法は夏季休暇中のインターンシップ活動での調査にも活用することができました。QMI~IIIを通じ、各分析手法に習熟できただけでなく、統計データ及びその政策的示唆を多角的に理解するためのリテラシーを養うことができ、今後のキャリアへの活用の面において非常に有意義な授業群であったと感じます。


【 Environmental and Regulatory Economics 】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Junjie Zhang)

小職が選択した環境政策学専攻の必修科目群。前者ではミクロ経済学を環境分野へ応用し、環境政策を経済学的観点から理解するための切り口を学習。効率的に環境政策目標(負の外部性によって減少した総社会福祉の最小コストでの回復)を達成するための各手法(税、割当、譲渡可能割当、情報公開による忌避行動促進等)及びそれらの経済学的な得失について理解を深めた。後者では環境政治経済の理解の基礎となる諸理論(環境クズネッツ曲線、Stiglerの環境規制による業界受益理論等)について講義、ディベート等を通じて理解を深めた。両科目間で重複する内容もあり、ややコーディネーション不足の感もあったものの、これらの受講を通じて環境政策を政治・経済の両面から分析するための視点を得ることができ、極めて有益な授業群であった。


【 Political Institutions of Latin America 】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Felipe Nunes)

ラテンアメリカ諸国の政治制度について、その特徴と現状・課題から、歴史的背景及びこれまでの変遷、転換点となった出来事を引き起こした要因など、様々な角度から講義主体で学習。具体的には、まず旧宗主国(スペイン、ポルトガル)からの独立後の失政が軍によるクーデターを招き軍政に至った過程や、輸入代替産業化戦略で他国への経済依存を強めた結果、支配体制が国際経済情勢の変化に脆弱となり、カーター政権下における民主化重視の米国外交政策等にも後押しされて徐々にラテンアメリカ全体の民主化の波に結び付いていった歴史的背景を学んだ。民主化した以降においても、比例代表制選出の結果、比較的小規模政党の連立によって成立する不安定な議会と、大統領との対立によって生じる意思決定の遅さがインフレ等の国難への対処を遅らせるケースが多いこと、従来のような左右のイデオロギーに紐付いた政党システムから、より広範な有権者から支持が集まるようmedian voter受けする政策アピールを行う新型の政党が台頭していること等の最新の政治事情を学んだ。


【 Ocean Law and Policy 】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Kathryn J. Mengerink)

UCSDの前身でもある海洋研究所(Scripps Institute of Oceanography)が、海洋保全専攻の1年制修士プログラムに在籍する学生向けに提供する授業。米国における司法・行政の関係や法律・判例検索手法などの法的分析の基礎から始まり、絶滅危惧種保護、漁業管理、海洋汚染、海底資源開発などの幅広いテーマについて、米国の主要関連法規と運用実態等を幅広く学習した。国際法関連では、国連海洋法、地域漁業管理機関設立条約、ワシントン条約等をカバー。担当教授は環境法関連の法律事務所で海洋分野の主任弁護士も勤めており、どちらかと言えば理論に偏りがちなGPSの講義群と比べると、本講義は課題として実際の政府機関によるパブリックコメント募集に対する意見書を法律、関連判例等を駆使して執筆することが課される等、極めて実践を重視したアプローチを取っていたのが印象的であった。最終課題となるFinal Paperにおいては、各自任意の政策課題について法的・政策的な分析を行う。


【 Public Opinion and Foreign Policy 】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Prather Lauren)

米国における外交世論の形成・変動要因等に関する主要文献を分析するセミナー形式の授業。多様な文献を読み込んだ上で内容や具体的な応用可能性等について少人数形式で教授と学生が議論することで、当該分野への理解を深めるだけでなく、世論研究において主流となっているメソッド(回帰分析などの定量分析:1年次に理論を学習済み)にも多数の実例を通じより慣れ親しむことができた。課題として課せられたグループプロジェクトにおいては、米国務省のOffice of Ocean and Polar Affairsを実際のクライアントとし、北極地域において米国が直面する安全保障上の課題について、①米国世論の現状及び既存の世論形成理論から予想される今後の世論変化の見通し、及び②北極政策に関する米国民の関心・理解を高めるための政策提言の2点について分析した論文を執筆し、自分は①についてグループを代表してクライアントへのプレゼンを行った。プレゼンでは語学力の面において他グループのネイティブ学生との差を再認識したものの、所属グループのネイティブメンバーから推薦されて第一線の実務家に対するプレゼンを任されたことは非常に有意義な経験であった。


【 International Law and Regulation 】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Emily Hafner-Burton)

国際合意の形成とその遵守に関する諸理論を、理論の文献及びケーススタディを通じて教授と学生の対話形式で学ぶ。具体的には、ゲーム理論を応用した当事国の協調行動インセンティブが生じるための前提条件の考察から始まり、国際合意の主要三要素(obligation, precision, delegation)、交渉で合意を生み出すための手法(issue linkage, flexibility等)、主要アクターの戦略、これらの相互関係等について理解を深めた。授業の後半においては授業トピックに関するチーム対抗ディベート、各学生に実在人物の役割を与えて行う地球規模での難民危機対処のための国際交渉シミュレーションが取り入れられ、私は豪州政府の難民問題諮問機関議長で人権問題専門家であるMr. Paris Aristotleとして、関係ステークホルダーと協力・交渉しつつ豪州及び他国にとり難民受け入れのインセンティブが高まるようなスキーム実現に努めた。学んだ理論が実際の国際場裏での議論にどのように応用されるかまで理解できるよう工夫され、非常にinteractiveかつ有益な授業であった。


【 Postwar Politics of Japan  】(選択)


2015/2016年  (教授名:Prof. Eliss S. Krauss)

日本政治研究の第一人者の一人として知られ、本大学院の名誉教授にもなったKrauss教授による、戦後のGHQ占領期から自民党55年体制、民主党政権期から直近の安倍政権に至るまでの我が国政治の基本要素を講義主体で概観する授業。1994年の選挙制度改革や小泉政権期の諸改革を前後として、議席獲得のための政党及び候補者にとっての最適戦略が、特定業界への利益誘導をはじめとした特定有権者個人対特定候補者個人の強固な繋がりの確保から、より広い有権者(median voter)に受けるための全体的な党イメージ向上に劇的に変化したことを中心として、その過程で実質的に首相権限が強化された(候補者の公認権、比例代表順位決定権)こと等を、統計データを示しつつ明快に説明。米国の視点から改めて日本政治を俯瞰する機会を得られたことは、今後の職務においても極めて有用であった。最終グループプロジェクトにおいては我が国憲法の歴史及びその改正可能性について分析、論文執筆及びプレゼンを行った。


【 必修科目 】

【 Managerial Economics 】

【 Quantitative Method I“QM I”- Introduction to Regression Analysis 】

【 International Politics and Security 

【 Globalization 】

【 Quantitative Method Ⅱ“QM II” - Introduction to Regression Analysis 】


【 選択必修科目 】

【 Strategy and Negotiation 】

【 Fiscal and Monetary Policy 】

【 Business & Management in Japan 】

【 Chinese Politics 】

【 Economic and Social Develop in China 】

【 Non-native Chinese 1年目 】

【 Non-native Chinese 2年目 】

【 Spanish 1年目(LISP 1A~1C及び1AX~1CX) 】